山梨大学男女共同参画推進室

2025年度

イベント情報

働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナーを開催いたします。詳細はこちら

イベントレポート

【令和7年度「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」働きやすい環境、ハラスメントを考える講座Ⅰを開催しました】

 令和7年11月5日(水)、甲府キャンパス 本部棟5階第一会議室において、働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー「働きやすい環境、ハラスメントを考える講座Ⅰ」を開催しました。講師として、社会保険労務士・キャリアコンサルタントの小林和美先生をお迎えし、職場環境とキャリアアップ、ハラスメントについての講義を行いました。
 まず、「働きやすい環境を考える」講義では、「人的資源とコスト意識」が基本となることが示されました。はじめに、退職者が出た場合に発生するコストを例に挙げ、採用後に一人前になるまでの費用や、継続して働くことにより削減できるコストについても解説がありました。さらに、メンタルヘルスなどが要因で休業者が出た場合に発生するコストや、残業時間の短縮により削減できるコストについても具体的に示されました。これらを踏まえ、快適な職場環境をつくるためには、コミュニケーションの機会を意識すること、接触頻度を増やすことで心理的安全性を築くこと、コミュニケーションの土俵に乗る姿勢が大切であることを学びました。
 続いて、「キャリアアップを考える」講義では、役職ごとに求められるスキルを「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」の3つに分類した「カッツモデル」について紹介されました。このカッツモデルは1950年代に提唱された理論ですが、現代のAI・IT・DX化が進む中で再び脚光を浴びています。また、講義では「業務」と「仕事」違いについても触れ、業務を効率よく進めることが仕事であり、「仕事ができる人」はカッツモデルの3つのスキルをバランスよく備えている人であることが強調されました。加えて、働き方改革が進む中、多様化する時代に対応した女性管理職のマネジメントスキルの必要性についても説明がありました。ティーチング(教える)だけではなく、コーチング(待って、促すこと)の重要性や心理的安全性を築くことも求められていることが強調されました。
 最後に、「ハラスメントを考える」講義が行われ、パワハラが発生しやすい職場環境の特徴や防止策、相談対応のポイントについて説明いただきました。小林先生からは、「注意をする時は、人ではなく事柄(5W1H)にフォーカスし、公平に注意すること。ハラスメントに関する相談を受けた時は、まずは話を聞くこと。寄り添って話を聞くことがスタートとなるので、勇気ある相談を後回しにしないでほしい。」とメッセージをいただきました。
 受講生からは「カッツモデルを初めて知った。自分の今の役職では、現場の業務ができることが大切だが、コンセプチュアルスキルも身につける必要があると知り、今後意識していきたい。」「自分自身も後輩も増えて相談されることが増えてきたため、対応方法を活用したい。次回のグループワークでは、本日学んだことを活かして楽しんで取り組みたい。」などの感想をいただきました。

【令和7年度「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」ココロとカラダの講座Ⅱ(産婦人科)を開催しました】

 令和7年10月22日(水)、甲府キャンパス 本部棟5階第一会議室において、働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー「ココロとカラダの講座Ⅱ(産婦人科)」を開催しました。医学域 産婦人科学講座 臨床助教 中込彰子先生をお迎えし、「女性の身体とメンタルヘルス」をテーマに講義とワークを行いました。
 最初に、女性の健康についての講義が行われました。月経や排卵によって女性が大きなパワーを消費していること、出産回数の減少により現代女性の月経回数は100年前に比べて約9倍に増えていることが説明されました。続いて、年代ごとの月経に伴うさまざまな不調についても詳しく解説されました。こうした症状の改善策として、月経をコントロールするための低用量ピルの活用や、体調を改善するために漢方薬などを取り入れる方法等が紹介されました。こうした講義を通じて、まず自分自身の体調としっかり向き合うことが、自分の身体を大切にし、他者への思いやりを育む第一歩になることを学びました。
 次に、自分自身を大切にするためには、「正しい情報を知る」ことが重要であると説明されました。特に、「性教育」は、安全で健康に自分を大切にしながら、他者と共に生きていくための知識を学ぶ教育であること、つまり包括的セクシュアリティ教育であることを強調されました。さらに、若い頃から自分自身の生活や健康としっかり向き合うこと、すなわち「プレコンセプションケア」の重要性にも触れられ、これが次世代へ健康をつなぐ大切な役割を担っていることが伝えられました。
 最後に、自分を見つめるワークを行い、自分の「夢中」や「強み」を振り返り、2~3人で1組のペアとなり共有しました。中込先生から、「皆さん一人一人に、生まれてきた意味があり価値がある。自分の中のどんな感情も認めて、泣いて、頼って、頑張らないことも大事。自分への思いやり『セルフコンパッション』を大切にしてほしい。」とメッセージをいただきました。
 受講生からは「女性にとって大切な情報でありながら学ぶ機会が少ないので、今回の知識を家族や友人と共有したい。」「プレコンセプションケアという言葉を初めて知った。自身のライフプランを考えるきっかけになり、若い世代にも知ってほしい。」「最近の世の中は、頑張らないことも大切といった風潮に変わってきているので、自分もその波に乗り、人生後半戦の身体の変化への対処法を掴みにいきたい。」などの感想をいただきました。

【令和7年度「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」ココロとカラダの講座Ⅰ(心理学)を開催しました】

 令和7年10月8日(水)、甲府キャンパス 工業会館3階会議室において、働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー「ココロとカラダの講座Ⅰ(心理学)」を開催しました。教育学域 教育実践総合センター 准教授 渡部雪子先生をお迎えし、「コミュニケーションと自我状態」をテーマに講義とワークを行いました。
 前半は、コミュニケーションにおける非言語的要素(表情、ジェスチャー、姿勢など)の重要性に触れ、「パーソナリティ」の違いが対人関係に影響を及ぼすかについて理解を深めました。
 その後、スマートフォンを活用して、受講生自身の心の状態を「心の波形」で可視化するエゴグラム診断を実施しました。診断後は、その結果をもとに、自我状態モデル(PACモデル)に基づく5つの自我状態(CP:支配的親、NP:養育的親、A:大人、FC:自由な子ども、AC:順応した子ども)について、詳しい解説が行われました。
 後半は、様々なコミュニケーションスタイルの違いや、日常会話の中で生じる「相補的」「交差的」なやりとりの具体例を通じて、ディスコミュニケーション(情報伝達がうまくいかない状態)が起こる原因と、対処法について学びました。
 講義の締めくくりとしてグループワークを実施し、「職場でトラブルが発生した場合」を想定し、5つの自我状態それぞれの視点から声かけや対応の工夫について意見を出し合い、発表しました。
 講義の最後に、渡部先生から「職場では“5つのイス”(=5つの自我状態)を意識することで、感情的になっている相手をクールダウンさせたり、自分自身の対応の幅を広げたりすることができる。冷静な対処を心がけ、トラブル解消の糸口としてこの学びを活かしてほしい。」とメッセージが送られました。
 受講生からは「この講座をとても楽しみにしていた。エゴグラム診断は、家族や同僚にも試してみたい。波形の中で、良い面は伸ばし、足りないところはいただいたアドバイスをもとに意識して取り入れていきたい。」「これまで『伝えたつもり』になっていたが実際には伝わっていなかったことに気づき、コミュニケーションは双方向・相互理解であると深く納得した。」などの感想をいただきました。

【令和7年度「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」アサーティブコミュニケーション講座を開催しました】

 令和7年9月17日(水)、甲府キャンパス 工業会館3階会議室において、働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー「アサーティブコミュニケーション講座」を開催しました。男女共同参画推進室長/教育学域生活社会教育講座 教授 志村結美先生を講師として、自己主張をしながらも相手を尊重するコミュニケーション方法である「アサーション」についての講義を行いました。
 はじめに行った自己紹介のワークでは、パントマイムを活用して「すてきなところ探し」に取り組みました。この活動を通じ、コミュニケーションの第1歩として、自分と相手の素敵なところを見つけ、自己肯定感を高めることの大切さを学びました。
 次に、チェックシートを用いて自分のアサーション度を理解するワークに取り組みました。ここでは、対人関係における3つのタイプ「アグレッシブ」「ノン・アサーティブ」「アサーティブ」についての講義があり、自分自身の特徴を理解することができました。その後、表情を使ったミニワークを通じて、言葉より非言語的な要素(表情・姿勢・声・手振り等)が大切であることを実践し、DESC法によるセリフ作りや、Iメッセージを活用した問題解決のためのアサーションの方法についても学び、実践的なコミュニケーション力の向上を目指しました。
 志村先生から、「アサーションは完璧なものではなく、いつもアサーティブに行動する必要はない。アサーティブ・トレーニングを通して、自分を素直に表現してほしい。」とメッセージをいただきました。
 受講生からは「パントマイムを通して和気藹々と話すことができ、今後のセミナーへの不安がぐっと減った。自分の良いところを書いていただいた紙は、いつでも見られるように持ち歩きたい。」「相手が柔軟に受け止められる言葉ばかりをチョイスしていた気がするので、自分の気持ちを適切に相手に伝えることを意識した言葉選びもしていきたい。」などの感想をいただきました。

【令和7年度「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」キャリアデザイン講座を開催しました】

 令和7年9月10日(水)、甲府キャンパス 工業会館3階会議室において、働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー「キャリアデザイン講座」を開催しました。講師に山口理栄先生(育休後コンサルタント®/青山学院大学社会情報学研究科プロジェクト教授、株式会社山口企画代表取締役)を迎えて、「自分だけのキャリアデザイン」についての講義を行いました。
 講義ではまず「そもそもなぜ女性限定のセミナーなのか?」という問いかけがあり、日本のジェンダーギャップ指数は、2025年の結果は148か国中118位であること、特に、政治と経済の分野で値が低いことを学びました。男女格差の理由として、ジェンダーバイアス(男女の役割についての固定的な観念)と男女の行動特性の性差があげられ、考え方や働き方に無意識的・意識的に影響を及ぼしている日本社会の問題について説明がありました。
 ワークでは、男女の行動特性上の性差に、組織あるいは女性本人としてどのように対応すればよいかを個人で考え、さらにグループで意見を出し合いました。さらに、性差が不利になりにくい4つのリーダーシップ(変革型・協同型・奉仕型・包摂型)について学び、どのタイプのリーダーシップに興味があるか、どんなリーダーになってみたいか等、グループディスカッションを行ったあと、全体で共有しました。
 山口先生から、「ジェンダーステレオタイプによる思い込みは、時に無意識の偏見となって自分の可能性をせばめてしまうことがある。今日から始まったこのセミナーは心理的安全性が高く、安心できる場。思い切って発言をして、リーダーシップの練習をしていってほしい。このセミナーで成長しましょう。」とメッセージをいただきました。
 受講生からは「自分の中にある無意識のジェンダーバイアスがあることや、リーダーシップのタイプについて学べたので、早速仕事に実践していきたい。」「会社も年齢も異なる受講生と意見を交わせて良かった。他社と集まっても同業種であることが多いが、今回は他業種の方と話ができて大変刺激になった。」などの感想をいただきました。

【令和7年度「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」入校式およびガイダンスを開催しました】

 令和7年9月4日(木)、大村智記念学術館において、「働く女性のリスキリングとキャリアアップセミナー」の入校式を挙行し、20名の受講生が入校しました。
 本セミナーでは、山梨県内企業や公共機関等で就業中の管理職を目指す社会人女性を対象に、令和8年3月までの6か月間、座学やワークショップによる学びを通して管理的立場の女性を増やすためのキャリアデザインを行いながら、キャリアアップを図る企業女性間のネットワーク構築を目指すものです。
 式ではまず、中村和彦学長が「受講される皆様方には、ご自身の可能性に気づき、学ぶことの本来の面白さを体験し、今後の成長につなげてほしい。」と式辞を述べました。続いて、山岸ゆり山梨県多様性・働き方統括官から「性別に関係なく、一人ひとりが自分らしい生活を実現できる社会へ向け、皆様がその推進力となることを期待している。」と祝辞が贈られ、受講生に温かい激励の言葉が届けられました。その後、入校生を代表し、芦澤美喜さんが「受講生の皆様との出会いを大切にし、積極的に、楽しみながら学びを深めたい。」と抱負を述べました。
 また、式終了後はガイダンスを行い、小林明理事(男女共同参画・特命)および志村結美男女共同参画推進室長が挨拶を述べ、スタッフ紹介や本セミナーの概要、講義会場等の大学キャンパスについて説明しました。

«         

page top